製造と営業、どちらが重要か!?②

前回お伝えした1については、解説というほどのものを加えるまでもなく、皆さんにご理解いただけるのかもしれません。要は、企業経営においては製造、つまりものを作る力を向上させることも大切だし、それを売る力も同じくらいに大切だということです。そして、未だ良い製品が出来上がっていないのなら製造(品質)力を強化しないといけないし、すでにしっかりした製品が出来ているのなら売る力を積極的に強くしていく必要があるだろうということです。

けれど、そのシンプルな考え方さえも出来ていないケースが、中小企業の場合は、まま見受けられるのが実情です。たとえば、どこまで行っても製品力の強化にばかり取り組んでみたり、(製造の人はたくさんいるのに)営業をほとんどしていなかったり・・・そんな企業の場合、例えば一つの取引先の受注比率が90%を超えていたりします。メインの取引先からの品質改善要求には一生懸命に取り組む一方で、新たな顧客開拓はほったらかしになっているパターンです。

ちょうど、先日、私の「せせらぎ通信」というブログで、「ザ会社改造」という本を紹介しました。この本(タイトルは、もう少し何とかならなかったのかと、個人的には思っています)の中で、著者の三枝さんは「創って、作って、売る」という言葉を紹介されています。私の中では、この言葉はもう10年以上も前、著者の三枝さんが「V字回復の経営」という本を著されたときに接した言葉でした。その時の私の感想は、「そんなの、当たり前の話であって、ここから何が学べるのだろう」というものでした。

けれど、コンサルタントになって、中小企業支援の現場に長年立つようになってわかったことは、この言葉が持つ力は”かつての私が思ったような簡単な(もしくは、味気ない)もの”ではないということでした。

この言葉(フレーム)が内包する重要な論点のひとつは、「作ってから、売る」ということです。つまり、この中には時間軸があり、どのような企業であっても、この順番でその時々に必要な力ー製造(品質)力であるのか、営業力であるのかーが変わってくるのだということだと、思うのです。単純に見れば、これも極めて当たり前の話です。しかし、繰り返しますが、そんな単純なことができていない企業がたくさんあるのです。

 

 

 

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