良い戦略にするために必要なこととして、あと２つお伝えしておきたいと思います。

一つは、その戦略の中に、「ここをこう押さえれば、こちらがこんな風に良くなる」といったような因果関係が存在していることです。つまり、戦略のストーリーが備わっているかどうかということです。

もう一つは、こんなふうに良くなるとするべき目標に、戦略的に価値がきちんとあるかどうかということと、その変化の度合いがあるていど計測可能であるということです。
再び、大東亜戦争時の日本軍の話になりますが、戦史を紐解いてみると、どの戦いでもこうした姿勢が不足していたと思います。米軍に比べてみると、そうした意識の低さは歴然としていました。特に、大戦末期ではその傾向が顕著になっていたと思います。