経営者の役割②

前回お伝えしたことは、多くの方が考える経営者の役割とさほど齟齬がなかったのではないかと思っています。しかし、常々思うのですが、経営者の役割が前回お伝えしたことだけでいいのでしょうか!? 
実は私は、それではまったく不足だと感じています。

では他に何が必要なのか!? といえば、それは「社会に対する還元」です。
どんな企業も、根本的には、社会に支えられて存続することができているわけです。たとえば、自社で一生懸命働いてくださっているパートさん。この方々は、そもそもは、会社のすぐそばの地域で子育てしながら、日々一生懸命家庭を支えている主婦の方だったりするのではないでしょうか。そうした方々の貴重な時間を、”ありがたいことにお預かりさせていただいて”、自分の会社の経営のために貢献してくださっている、というのが一面の真実だと私は思います。
でも、多くの場合は、「パートだからこれくらいの時給でいいし、このくらいは働いてもらって当たり前」といった意識で雇用していたりはしないでしょうか。もちろん、世間の相場程の時給で働いていただくことに、何ら問題はないと思います。ただ、私が日々思っているのは、正社員であれパートであれ、「一人ひとりが私たちの社会にとって貴重な人材であり、そうした人々に少しでも幸せになってもらい」、また「成長してもらうための場を提供すること」が、会社の役割なのではないかということです。なぜなら、会社は、(例えば、上述のように人材を供給してくれたりする)地域社会に支えられて存続することができているからです。

こうした話は、例えばコンサルティング支援の現場でいつも必ず相談者である経営者さんにお伝えするものではありません。ここで記した内容は、経営者さんの意識や技量などを勘案した上で、この方だったらお伝えしても理解したり、前向きに考え始めてもらえたりしそうだと私が判断した時だけ、お伝えしていることです。
ただ、できることなら、可能な限り多くの方がこうした認識をもっていただけたらありがたいなぁ、というのが率直な思いです。
そうなればきっと、私たちの社会はもっと輝くようになってくれると思うからです。

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