今いる人材に長く、気持ちよく働いてもらうための取り組み ③

3月に入って、暖かい日が増えてきました。今日、7日は寒さが戻ってきており、外を歩くと風も冷たいのですが、それでも日差しの力が違うように感じられます。間違いなく春がそこまで来ている気配です。

さて、新しい月に入っていますが、このテーマは考えるべきことが多いので、は同じテーマで考え続けてみたいと思います。前回は、「アート」としての観点から考察したので、「科学」的に考えを進めてみることにします。

まず、社員に気持ちよく働き続けるには、かれらのモチベーションについて、理解を深めておくことが大切です。

モチベーションに関する理論はたくさんありますが、まずはハーズバーグという人が提唱した「動機づけ理論」を理解しておくとよいと思います。この理論は、働く人々は常に、「衛星要因」と「動機づけ要因」という二つの種類の要因によって、モチベーションの度合いが上がったり下がったりしているとするものです。

衛星要因は、それがなければ、途端に働く人のモチベーションが下がってしまうようなもののことです。例えば、十分な給料がもらえない、職場の環境が悪くて気持ちよく働いていられないといったことが衛星要因になります。こうした衛星要因が世間一般のレベルより低ければ、その組織で働く人の離職率は一気に高まると考えられます。一方、動機づけ要因は、なくても困ることはないけれど、それがあることで仕事に対するやる気が高くなるようなもの、例えば、上司からの励ましや労いの言葉、苦労しながらも一緒に働く仲間との絆、顧客に褒められて役に立てているんだと実感できる喜び、などです。

したがって、経営者やマネージャーは、衛星要因を取り除いた上で、できるだけ動機づけ要因を増やしていくことが大切なミッションになります。

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