今いる人材に長く、気持ちよく働いてもらうための取り組み ②

前回のコラム記事における回答をご覧になった方の中には、ひょっとしたら「なんだ、そんなことか。もっと、具体的な回答を期待していたのに、がっかり」と思った方もいらっしゃったのではないかと、ひそかに思っています。真剣に、あらゆる方向から、2月のお題について考えてくださった方だったらそう考えて当然だと、私自身が思っています。

自分で出しておいて何なのですが、今回のお題に対する答えは、ほんとにたくさん考えられますね。

ところで、「真剣に経営について考えている人」の間では、しばしば、「経営はアートなのか、サイエンスなのか」という命題が取り上げられます。もう少しわかりやすく言えば、経営者の直感や人柄で会社を運営していくのか、そうではなくて、理論の積み上げで最適解を導き出すのか、という議論です。ちなみに、私がこの命題に初めて触れたのは、NHKのプロフェッショナルという番組の第1回で、星野佳路さんが語っていたのを聞いたのが初見でした。

私は多くの支援現場で、サイエンス=理論に基づいた助言をさせて頂いています。そもそも、中小企業診断士という資格そのものが、理論的な裏付けのもとに、認証されたものなのです。

しかし、だからといって、アートを軽視してよいのかというと、もちろんそうではないと思っています。

そのような2つの論点を理解し,睨みながら今回のお題について考えれば考えるほど、まずはサイエンスじゃなく、まずはアートに近いところを真摯に、まっすぐに押さえることがとても大切なように思えました。だから、最初にスポットライトを当てたのが、仕組みではなく、経営者の姿勢そのものになったのです。

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