事業コンセプトについて①
17日間にわたるリオ・オリンピックの熱戦が終わりました。私はそれほど熱心に見ていたわけではありませんが、それでもふとつけたテレビの画面に日本選手が懸命に頑張っている姿が映し出されると、思わず応援してしまっていました。
ところで、ふと思ったのですが、「白地に赤く」という日の丸の旗は、とても優れたコンセプトを持っていますね。その特徴は、極めてシンプルでありながら、力強いところにあると思います。だから誰が見ても、一目で、それとわかります。
今回のテーマは「事業におけるコンセプト」ですが、その事業コンセプトもこれくらいシンプルで力強いと、非常に有利に経営を進められると思います。
シンプルであることのメリットは、訴求力が強いところです。誰が見ても、「これはこんな事業なんだ」と、一言で説明できるからです。
今月の問いかけで示したとおり、そもそも事業コンセプトというのは、「その事業の本質を一言で言い表わす概念」です。なのに、「これがこうなって、○○した上で、こうする事業」といったふうに長々と説明しなければならないのであれば、事業コンセプトとしてどこかがおかしいと言わざるを得ません。
先に、「訴求力が強い」という表現をしましたが、事業戦略の立案に日々、携わっている立場からすれば、これを別の言葉に言い換えたほうが、より適切だと思います。
それは、(シンプルだと)「人の心をつかむことができる」ということです。