経営理念について ③ 留意点

3.留意点

最後に、経営理念について、私なりの留意点を3つお伝え致します。

 

(1)作っただけでは、よしとはしない。

 経営理念を作っただけでよしとしている会社は、非常に多いものです。しかし、経営理念は作っただけではほとんど何の効果も発揮しません。つまり、先に掲げたメリットを享受できないということです。

 経営理念がその真価を発揮するためには、次の4つのステップを踏むことが大切です。

 

STEP1 社長がしっかりと己と向き合い、経営理念を作る。

STEP2 それを社員に伝える。

STEP3 さらに、あらゆる機会を通じて伝え続ける。

STEP4 経営者が、理念を反映した行動を取り続ける。

 

本当に大切なのは、3つめと4つめのステップです。

理由の一つは、続けることが難しいからです。

 

(2)いつまでも理念だけではダメ

 この経営問答というコラムの最初に持ってきたように、経営理念はとても大切なものだと思っています。しかし、だからと言って、いつまでも経営理念だけを家宝のように扱っていてはいけません。

 もちろん、経営を前に進めるために、経営理念とビジョンという「熱いハート」が必要ですが、それと同時に、「冷静な頭」でしっかりと分析し、計画を立てていくことが必要です。

 したがって、常に熱いハートを持ちながら、一方では冷静に戦略・計画を立案し、愚直に実行していく心構えが求められます。

 

(3)時間をかけて、磨きをかける。

経営理念は途中で変えてもいいと思います。なぜなら、経営者が考えることや感じることは、(経営者としての)成熟度に応じて変化していくからです。望ましいのは、経営者が真摯に経営に向き合うことで意識や技量が向上し、それに伴って経営理念もより高度になっていくことです。

したがって、より自社に相応しく、自らの思いを反映したものにするため、常に経営理念を磨き上げ、必要に応じて修正していくとよいでしょう。

 

それでは、6月の初めにまた次のお題を掲示いたします。

一緒に考えましょう。

 

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